凶方位への移動を、吉が上回ることはできるのか
「凶を吉で上回る」という考え方を、Cloud Paletteの判定の作りに照らして整理します。層ごとの独立性、上書きできる条件とできない条件、そして暦と関係なく効くことを分けて書きます。
先に結論
「凶方位へ移動してしまったが、吉を積めば上回れるか」という問いに、このサイトの計算はそもそも点数の足し引きで答えていません。
- 判定は年盤・月盤・日盤の層ごとに出しています。合計点は出しません
- 層をまたいだ相殺はしません。年盤で凶なら、日盤が吉でも年盤の凶は消えません
- 「上回る」に相当する処理があるとすれば、それは次の移動の起点が変わることだけです
一方で、暦と関係なく確実に効くことは別にあります。そちらのほうが、実際の生活では効き目がはっきりしています。順に書きます。
判定は層ごとに独立している
Cloud Paletteは、ある移動について次を別々に出します。
| 層 | 何で決まるか | 動く速さ |
|---|---|---|
| 年盤 | その年の中宮星 | 1年 |
| 月盤 | 節入りで変わる月の星 | 約1か月 |
| 日盤 | その日の星 | 1日 |
この3つを足して1つの点数にはしていません。画面でも層ごとに並べています。
理由は単純で、足し方に根拠がないからです。年盤の凶を日盤の吉が何日ぶん打ち消すのか、という換算表はどの流派にも存在しません。無い換算を勝手に作れば、出てくる数字は計算の見た目をした創作になります。
だから「凶2つ・吉1つだから差し引き凶1」といった集計はしません。凶は凶として、吉は吉として、そのまま並べます。
「上回る」が成立する唯一の経路
とはいえ、後の移動が前の移動に影響する経路が1つだけあります。起点(太極)の移動です。
新しい住まいに一定期間(多くの流派で75日)住むと、方位を測る起点がそこへ移ります。すると次の移動は、元の家からではなく新しい家から測ることになります。
これは「前の凶が消える」のではありません。次の移動の測り方が変わるだけです。この違いは大きいので、75日後の吉方位への移動で、最初の凶方位は相殺される?で別に詳しく書きました。
まとめると、
- ❌ 後から吉方位へ動くと、前の凶が遡って消える
- ⭕️ 後から動くとき、測る起点が新しい家に変わっている
このサイトはこの2つを混ぜません。
上書きできない条件
流派を問わず「これは避ける」とされているものは、後から何かを積んでも扱いが変わりません。このサイトでも、他の層が吉でも表示を格上げしません。
五黄殺・暗剣殺・歳破・本命殺・本命的殺がこれに当たります。これらは方位そのものの属性なので、時期を選んでも方位が変わらない限り残ります。
天中殺(空亡)も同様です。こちらは方位ではなく時期の属性で、期間中はどの方位を選んでも条件が変わりません。天中殺の考え方は天中殺はどこから来て、何をしないほうがいいのかに書きました。
つまり「吉で上回る」を狙うとき、上回れる余地があるのは、もともと決定的でない層だけです。決定的な凶が1つ乗っていれば、そこは動きません。
一般に言われる対処と、その位置づけ
「凶方位へ移ってしまったときの対処」として、次のようなものが伝えられています。
| 対処 | 内容 |
|---|---|
| お砂取り | 吉方位の神社の砂を持ち帰り、敷地に撒く |
| 方災解除の祈祷 | 神社で祈祷を受ける |
| 吉方位への旅行 | 一定期間、吉方位へ滞在する |
| 温泉・湧水 | 吉方位の水に浸かる・飲む |
このサイトはこれらを計算に入れていません。効果があるともないとも判定していません。
理由は、凶方位へ移動してしまった場合にも書いたとおりです。効果を検証できる形の主張になっていないため、数字にすると根拠のある数字と区別がつかなくなります。
やってはいけない、という意味ではありません。気が済むならやる価値はあります。ただ「これで何%相殺された」という形では出せない、ということです。
暦と関係なく効くこと
ここが実際にはいちばん効きます。
引越し後の不調は、方位を持ち出さなくても説明がつく範囲が広いです。
- 睡眠時間と就寝時刻が変わる(通勤経路・間取り・騒音)
- 食事が変わる(近所の店・自炊の頻度・水)
- 人間関係が入れ替わる(相談相手が近くにいない)
- 通院が途切れる(かかりつけ医が遠くなる)
- 運動量が変わる(駅までの距離、階段の有無)
このどれかが崩れていれば、体調は落ちます。方位の吉凶とは無関係にです。
そして、こちらは自分で変えられます。
- 就寝時刻を元の生活に戻す。引越し直後は片付けで夜更かしが続きます
- かかりつけ医を先に決める。転居先で紹介状を出してもらう
- 元の土地の人と話す機会を残す。相談相手が全員入れ替わると判断が鈍ります
- 最初の3か月は大きな決断を重ねない。転職・大きな買い物を引越しと同時にしない
「凶方位を吉で上回る」という考え方に照らすなら、確実に上回れるのはこちらです。暦の側で積める吉には検証手段がありませんが、睡眠と通院と人間関係は、崩れたかどうかを自分で確かめられます。
次に動くときにできること
すでに移動してしまった場合、次の移動を選べるという手は残ります。
起点は今の家に移っているので(一定期間住んだ後)、次はそこから測ります。引越し時期を分析するで、今の家を起点にした全期間の吉凶を並べられます。年盤は9年で一巡するので、9年のあいだにどの方位がいつ開くかは先まで見通せます。
年盤の周期については凶方位の影響は60年続くのか?で計算しました。「60年続く」という説明は九星の年盤の周期(9年)とは合いません。
注記
この記事で「このサイトはこう計算している」と書いた部分は、実装の事実です。層ごとに独立して出していること、合計点を作らないこと、決定的な凶を他の層で格上げしないことは、判定エンジンの作りそのものです。
一方、方位に効果があるかどうかは、このサイトでは実証されたこととして扱っていません。統計的な検証を試みた結果は方位に統計的な根拠はあるのかにまとめました。
「上回れるか」という問いに対して、暦の側で確実な答えを出せないことを、そのまま書いています。確実に効くほうを最後に置いたのは、そちらのほうが実際に役に立つと考えているためです。