家賃市場の計量分析

株式の定量分析で使う道具(ファクターモデル・分布分析・生存分析)を賃貸市場に当てています。毎晩の巡回データから自動更新。最終更新: 2026/8/28 15:10:54

この 3 つの分析の読み方:平均ではなく中央値を使う理由、駅徒歩 1 分の重みが地域で 6 倍違うこと、生存分析の近似について。

分析対象の掲載

1,238,926件

家賃の中央値

6.4万円

モデルの説明力 R²

0.52

掲載の中央存続期間

2日

家賃指数の推移(全国・㎡単価中央値)

毎晩の集計で積み上げる時系列。㎡単価の中央値なので、安い物件が増減しても面積構成の変化に引きずられにくい。過去に遡って再構成はできないため、導入日からの蓄積になる。

蓄積中(現在 0 日ぶん)。毎晩の集計が 5 日ぶん貯まるとチャートが表示されます。

新規掲載の推移(出来高)

1日に市場へ出てきた新しい掲載の数。太線は7日移動平均。供給の勢いが読める。巡回対象の県を増やした日は段差になる。

家賃の分布

右に裾を引く対数正規型(歪度 4.5)。中央値 6.4万・P10 3.8万・P90 12.6万。平均は高額側に引っ張られるため、相場は中央値で読む。

割安・割高の分布(モデル残差)

ヘドニック回帰の理論家賃に対する乖離率。0%が「条件相応の家賃」。左裾(マイナス側)が割安で、スキャナーの掘り出し物件はここを拾っている。県ごとのモデルへの残差を合算しており、地域間の水準差は含まない。

掲載の生存曲線(流動性)

掲載されてから t 日後も市場に残っている確率(n=1,256,424)。【注意】いまの曲線は実態より速く落ちる方向に歪んでいます。「巡回で 7 日以上見かけない=終了」と数えていますが、実測(2026-08-26)では巡回が在庫全体を回りきれておらず、生きている掲載の多く(全体の約半分)が一度観測されただけで終了扱いになっています。初日の急落はその写像です。巡回の網羅が直るまで、短期側は読まないでください。

県別ファクターモデル(ヘドニック回帰)

log(総家賃) を 広さ・築年数・駅徒歩 に回帰した係数。株式のマルチファクターモデルと同じ発想で、家賃を要因に分解する。効果はすべて「家賃が何%変わるか」に換算済み。

掲載数家賃中央値広さ+10%築1年徒歩1分
大阪府192,22879千円+7.0%-1.52%-1.55%0.72
愛知県112,70169千円+6.0%-1.38%-1.07%0.68
東京都101,53494千円+7.1%-1.27%-1.56%0.66
兵庫県78,24565千円+5.0%-1.19%-0.76%0.55
広島県73,96455千円+5.2%-1.12%-0.45%0.66
北海道67,73851千円+6.0%-1.30%-0.25%0.62
京都府67,42175千円+6.6%-1.22%-0.86%0.73
神奈川県55,57389千円+6.1%-1.54%-0.89%0.67
静岡県54,46958千円+5.3%-1.22%-0.19%0.66
埼玉県32,13271千円+5.3%-1.27%-0.41%0.61
福岡県31,39760千円+5.1%-0.97%-0.68%0.47
三重県23,25253千円+5.0%-1.32%-0.41%0.66
奈良県23,16457千円+4.8%-1.27%-0.23%0.68
新潟県17,58752千円+4.4%-1.33%-0.06%0.59
滋賀県17,03863千円+4.0%-1.23%-0.38%0.57
宮城県15,48860千円+7.0%-1.28%-0.88%0.75
栃木県14,67553千円+5.3%-1.53%-0.29%0.66
群馬県14,58250千円+4.5%-1.34%-0.24%0.63
千葉県14,41271千円+5.0%-1.21%-0.58%0.55
福島県14,38250千円+4.0%-0.97%-0.16%0.58
茨城県14,37452千円+5.5%-1.39%-0.13%0.73
熊本県14,34953千円+6.5%-1.35%-0.47%0.78
長野県13,13555千円+4.9%-1.36%-0.28%0.64
岡山県12,39152千円+6.1%-1.32%-0.37%0.76
宮崎県12,24247千円+4.9%-0.97%-0.03%0.68
山口県11,69349千円+5.0%-1.14%-0.13%0.66
大分県10,36450千円+5.3%-1.04%-0.23%0.66
岐阜県10,33250千円+5.5%-1.30%-0.17%0.71
愛媛県9,12946千円+5.5%-1.24%-0.35%0.78
徳島県8,96048千円+5.7%-1.29%-0.11%0.77
岩手県8,92150千円+5.3%-1.35%-0.28%0.70
和歌山県8,06050千円+4.9%-1.26%-0.11%0.67
島根県7,08960千円+3.1%-1.16%-0.06%0.59
秋田県7,00553千円+3.8%-1.48%-0.08%0.58
香川県6,87746千円+4.8%-1.37%-0.51%0.66
富山県6,87354千円+4.9%-1.33%-0.49%0.68
鹿児島県6,86450千円+6.5%-1.35%-0.29%0.77
鳥取県6,46052千円+4.1%-1.11%-0.10%0.63
福井県6,37860千円+4.6%-1.21%-0.03%0.73
佐賀県6,31753千円+3.0%-0.91%-0.15%0.46
青森県5,26647千円+4.9%-1.49%-0.07%0.68
石川県5,14453千円+5.6%-1.51%-0.26%0.71
山形県4,77449千円+5.4%-1.37%-0.12%0.74
沖縄県4,59675千円+6.7%-1.13%0.02%0.65
山梨県3,35056千円+5.5%-1.42%-0.26%0.71
高知県3,27447千円+5.5%-0.98%-0.24%0.75
長崎県2,72751千円+5.1%-0.98%-0.30%0.64

市区町村ボラティリティ(㎡単価の変動係数)

同じ市区町村の中での価格のばらつき。高いほど「同じ町なのに高い部屋と安い部屋が混在」しており、掘り出し物件が出やすい市場。株式のボラティリティが機会でありリスクであるのと同じ。

市区町村掲載数㎡単価中央値IQRCV
千葉県千葉市美浜区1592,51454.7%0.93
和歌山県海南市3761,07561.5%0.81
兵庫県高砂市7551,25769.6%0.81
千葉県鎌ケ谷市1321,84057.0%0.80
長野県北佐久郡軽井沢町1153,04576.1%0.75
大阪府摂津市1,3041,90943.9%0.71
大阪府阪南市33393841.0%0.65
滋賀県東近江市1,3811,33438.2%0.65
佐賀県佐賀市7531,35654.9%0.63
新潟県村上市1121,04634.0%0.61
滋賀県近江八幡市6931,47345.1%0.58
福岡県宮若市2511,06823.6%0.57
新潟県柏崎市3301,32740.2%0.57
埼玉県大里郡寄居町3071,20942.3%0.56
北海道苫小牧市1,4061,09830.4%0.55
奈良県生駒郡斑鳩町6731,25644.9%0.54
東京都立川市6382,60149.4%0.54
神奈川県川崎市川崎区7373,74847.4%0.54
香川県坂出市2461,16763.7%0.54
神奈川県愛甲郡愛川町1431,32444.3%0.53

暦の統計: 本命星別・三盤吉の日数(今年度と平年)

こちらは市場データではなく、九星の暦そのものの統計。年盤・月盤・日盤がすべて吉になる日が「どこかの方位で」何日あるかを、本命星ごとに 9 年窓(年盤の一巡)で数えたもの。星によって 2 倍以上の差があり、また同じ星でも年による当たり外れがある。天中殺は考慮していない(個人の設定に依るため)。

本命星今年度の三盤吉9年平均平年比
五黄土星21125483%
一白水星181151120%
七赤金星174130134%
九紫火星15316095%
六白金星141140100%
三碧木星112111101%
四緑木星9411482%
八白土星7512162%
二黒土星5513242%

※天中殺グループ6通りの平均。個人の値は物件スキャナーの「引っ越し時期を探す」で自分の命式に対して表示される。

方法論と限界

何を計算していて、何は言えないか。

  • ヘドニック回帰: log(家賃+管理費) を log(面積)・築年数・駅徒歩分に最小二乗で回帰。県ごとに別モデル。間取り・階数・構造は未投入なので、残差にはそれらの効果も混ざる。「割安」に見える物件には理由があることも多い。
  • 生存分析: パージ運用で消えた掲載は完全には観測できない。「7日以上巡回で見ない=終了」という近似を使っており、長期側の推定は保守的でない可能性がある。
  • これは観測データの記述であって、因果関係でも将来の予測でもない。個別の物件判断は物件スキャナーで、方位・時期と合わせて行うこと。